薬剤負荷試験での具体的な留意事項

1. 必ず入院の上、薬剤投与中、投与後も十分な(数時間以上の)観察が可能な状況下で施行してください。

2.12誘導心電図記録装置以外に、心電図モニター装置・直流通電装置は必ず準備下さい。 †

3. 点滴ライン確保の上、負荷テストを行ってください。

点滴ラインは、可能で有れば翌朝まで確保しておいてください。

4. Isoproterenolの200倍希釈溶液を用意下さい。

(Isoproterenol 1A (1cc)には、0.2mg(200ug) 含まれています。
 この溶液を注射器を用いて200倍(20×10倍)に希釈しておきます。) 
 重要:このIsoproterenolはBrugada症候群及び特発性心室細動(分類不能)症例においてPVC, NSVTの抑制、ひいてはVF抑制に非常に有効です。

5. 使用薬剤の選択は、先生方の判断にお任せします。

投与方法は、各メーカーから推奨されている投与方法に必ず準じて下さい。(Pilisicanideの場合は、1mg/kgが最大投与量で、必ず10分以上かけて静注となっております。)

6. STが0.2mV以上上昇した場合、もしくは心室性期外収縮、非持続型の心室頻拍が誘発された場合には、その時点で、薬剤投与は直ちに中止して下さい。

次に、

  1. Isoproterenol 1~2μg (200倍希釈溶液、1~2ml)の静注を行い、
  2. これに引き続き Isoproterenolの持続点滴(0.5~1μg/min)を行い、 ST-T、PVCの状態を観察してください。
  3. PVCの消失やST上昇、T波陰性の改善が認められるまで、投与量を漸増し、抗不整脈薬の血中濃度が充分低下するまで(数時間以上)、 Isoproterenololの点滴を続行して下さい。
  4. 点滴の中止については、Isoproterenolの点滴を一時的に中止し、 ST-T・PVCなどの状態を考慮し、終了および続行の判断をお願いします。

<特発性心室細動研究会(J-IVFS)事務局>

事務局連絡先:
横山 泰廣
第三北品川病院 内科循環器
〒140-0001 東京都品川区北品川3-3-7
E-mail: yhy@me.com  電話: 03-3474-1831 Fax : 03-3474-5869

事務局所在地:
小松 雄樹
筑波大学 医学医療系 循環器内科
〒305-8575 茨城県つくば市天王台1-1-1