(平成15年10月報告)
登録いただいた症例の安静時12誘導心電図(非発作時、最も典型的なECG)について、患者背景を知らない3人の事務局員が以下の項目について計測し、3人の平均値を有症候性群(失神発作歴、VFあるいは心停止の既往のある症例)と無症候性群の2群間で比較検討しました。
計測項目
1. r-J top間隔、2. J amplitude、3. T top amplitude、4. r-T top 間隔、5. r-T end間隔
6. r’間隔
r-J top間隔: r波からJ点(S波以降の最初の最も高い点)までの間隔 (msec)
J amplitude: J点の基線(P波開始点間を結んだ線)からの振幅 (mV)
T top amplitude: T波頂上点の基線からの振幅 (mV)
r-T top 間隔: r波からT波頂上点までの間隔 (msec)
r-T end間隔: r波からT波終了点(接線法で接線と基線の交点)までの間隔(msec)
r’間隔: J点直後にr’波からST部分に移行する変曲点(上に凸から下に凸へ変化)が可視可能な場合、J点からその変曲点までの間隔。
0.02 sec以下、0.02-0.04 sec、0.04 sec 以上の3つに半定量。
上記6項目についてV1,V2,V3誘導にて各々計測。
また、左側胸部誘導の代表としてV6にてQRS幅(msec)とQT 間隔(QRS開始点からT波終了点までの間隔、msec)、さらにS波幅を0.02 sec以下、0.02-0.04 sec、0.04 sec 以上の3つに半定量化して計測しました。
結果
登録全症例数:123例(平均年令53±13歳、男性111例、女性12例)
解析症例数:106例(平均年令54±13歳、男性100例、女性6例)
有症候性Brugada症候群:59例(平均年令52±14歳、男性56例、女性3例)
無症候性Brugada症候群:47例(平均年令55±13歳、男性44例、女性3例)
解析結果につきましては、甚だ簡単ではありますが、各々の項目ごとの解析データー分布図を添付いたしましたので、御参照下さい。
尚、今回添付いたしましたデーターの統計解析、さらにいくつかのサブグループでの解析を検討しておりますが、これらの結果につきましては、第2回の特発性心室細動研究会(平成16年2月14日開催予定)にて御報告させていただく予定です。何卒御参加いただきますよう宜しくお願い申し上げます。
今後とも症例の御登録等、当研究会を御支援いただきます様お願い申し上げます。
データ
(文責 高木雅彦)
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