・EP Testingの新規登録は終了致しました。
ブルガダ症候群に対するEPS施行方法を統一し、EPS結果と予後の関連を調査することを目的として行っているEP-TestingのEPSプロトコールを公開いたします。
本プロトコールを用いたEPSを行う際は、個々の施設の判断と責任において施行をお願いします。
本プロトコールを用いたEP-Testingへの登録をご希望の際は本頁の下段をご参照ください。
J-IVFS EP Testing プロトコール
EPS 手順
※抗不整脈薬非投与下にて検査を施行する。
- 心室刺激出力
- 刺激閾値の2倍の出力を用いる。
- 心室刺激部位
- 2 本のカテーテルを右室心尖部と右室流出路へそれぞれ留置し、2 カ所から刺激を行う。
- 刺激基本周期(S1)
- 600msと400msで行う。なお、洞調律時の心拍数が100bpm 以上の症例は 400ms のみとする。
- 心室期外刺激の連結期
- S2,S3≧200ms, S4≧180ms とする
- 刺激順序の原則
- (1) 右室心尖部から初めに施行する。600ms の基本周期から開始し S3 刺激まで行い、続いて400ms の基本周期で S3 刺激まで行う。
- (2) 次に右室流出路から、同様に 600ms と 400msの基本周期で S3 刺激まで行う。
- (3) S4刺激は基本周期600msで右室心尖部、右室流出路の順で刺激を行い、続いて基本周期 400ms で右室心尖部、右室流出路の順に刺激を行う。
- (4) 期外刺激は 300ms までは 20ms ずつ、300ms 以下では 10ms ずつ漸減する。
- 具体的には、以下の順序で行う
- (1)右室心尖部 (600ms) S2 → (2)右室心尖部 (600ms) S3 →
- (3)右室心尖部 (400ms) S2 → (4)右室心尖部 (400ms) S3 →
- (5)右室流出路 (600ms) S2 → (6)右室流出路 (600ms) S3 →
- (7)右室流出路 (400ms) S2 → (8)右室流出路 (400ms) S3 →
- (9)右室心尖部 (600ms) S4 → (10)右室流出路 (600ms) S4 →
- (11)右室心尖部 (400ms) S4 → (12)右室流出路 (400ms) S4
- EPS 陽性基準
- 1. 心室細動
- 2. 持続性心室頻拍
- 3. 失神もしくは血行動態の破綻を伴う 7 拍以上連続する非持続性心室頻拍
- *7 拍未満の非持続性心室頻拍でも臨床上ハイリスクと判断される場合、陽性と判断してもよい。
- (1,2,3のうちどれか一つでも誘発された場合、陽性とする)
- ※不整脈(上記1,2,3)が誘発された時点で陽性と判断し、検査(EPS)を原則終了とする(施設によっては再現性を確認する手順に進んでもよい)。
- ※上記不整脈が誘発された場合の植え込み型除細動器(ICD)の適応については、各施設(担当医)が総合的に判断する。
- ★なお、上記不整脈が誘発された後に、以下に記す手順による催不整脈性の再現性を確認してもよい(再現性の確認は必須ではない)。
- 同部位・同一プロトコールによる刺激を再度行う。
- 再現性がない場合には先のプロトコールへ進む。
- 右室心尖部からの刺激にて上記不整脈誘発の再現性が確認された場合には、右室流出路からの刺激プロトコールへ進み、不整脈の誘発の有無を右室心尖部と同じプロトコールで確認し、検査を終了とする。この際、仮に右室流出路からの刺激により上記不整脈が誘発された場合においては再現性を確認する必要はない。
- 右室流出路からの刺激にて上記不整脈誘発の再現性が確認された場合には、この段階で検査を終了とする。
EP-Testingに登録をご希望をされる場合
- 登録を希望される場合、お名前、ご住所を明記のうえ、聖路加国際病院循環器内科 横山泰廣宛て(yhy@me.com)にメールをお送りください。
倫理審査に必要なファイル一式をお送りいたします。
J-IVFS EP-Testingプロトコール PDFファイル
- ダウンロード fileprotocol.pdf